山梨肺癌研究会会誌 第13巻1号 009-013(2000)
右肺管状全摘術を行った肺門部肺癌の1例
赤池英憲、武藤俊治、千葉成宏、奥田純一、中込 博、三井照夫
芦澤一喜、中沢美知雄、小山敏雄、武川 修
気管・気管支形成術は、根治性と機能温存の両面で優れた術式であるが、手技の煩雑さ術後合併症の頻度の高さ等の問題点も多く、その適応に難渋する事も多々ある。今回、我々は気管分岐部への浸潤を認めた右肺肺門部肩平上皮癌に対し、右肺管状全摘術を施行した1例を報告する。症例は66歳、男性。呼吸苦を主訴に近医を受診。右肺門部の肺癌と診断され同院入院。入院中呼吸苦増強し、胸部X線上右全無気肺を認めたため当院転院となった。転院後気管支鏡検査を施行したところ、右肺肺門部肩平上皮癌の気管分岐部への浸潤と右主気管支の完全閉塞を認めた。右肺肺門部扇平上皮癌、気管分岐部浸潤(T4N0M0、Stage3b)の診断で右肺管状全摘術を施行。術後は、経過良好であり、呼吸機能も術前のものと比較して保たれていた。当院では、本症例を含め、1989年から1998年までの10年間に11例の気管・気管支形成術行っている。これらも本症例と併せて報告する。
Key Word : 肺癌、気管支形成術、管状切除術
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