山梨肺癌研究会会誌 第13巻1号 027-031(2000)

肺悪性黒色腫の1例

宮下義啓、大部幸、中込一之、山本夏男
高瀬 優、小山敏雄

要旨: 症例は79才、男性。前立腺癌および高血圧の診療経過中に胸部異常影を指摘された。胸部レントゲンおよびCT像では右肺S3領域胸膜直下に径 15-20mm大の淡い腫瘤影を認めた。陰影辺縁は不整で、内部にairbronchogramがあり、原発性肺癌を疑われた。気管支擦過細胞診検査ではadenocarcinomaが疑われたが、経気管支肺生検では腫瘍細胞内に多数のメラニン顆粒を認め、Masson-Fontam 染色およびHMB45染色陽性から肺悪性黒色腫と診断された。下部消化管検索のみ行なえず、転移性肺悪性黒色腫は完全に否定できないが、画像所見から原発性肺悪性黒色腫と考えられた。

Key words: 悪性黒色腫、肺腫瘍



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