山梨肺癌研究会会誌 第13巻1号 032-036(2000)
新規抗癌剤(vinorelbine,gemcitabine)とcisplatin併用化学療法を施行した非小細胞肺癌の2例
金澤正樹,小澤克良,川口哲男
宮澤正久,南部敦史,宮田和幸
要旨:新規抗癌剤 vinorelbine(以下VNR)、gemcitabine(以下GEM)とcisplatin(以下CDDP)併用化学療法を施行した非小細胞肺癌の2例について報告した。症例1は71歳、男性。咳嗽、喀痰を主訴として受診。精査の結果、右肺門原発の低分化型扁平上皮癌(T4N3M1.stage IV)、右下葉肺膿瘍と診断。VNR+CDDPの化学療法を2コース施行した。腫瘍に対してはminor responseだったが、末梢の肺膿瘍は著明に改善した。症例2は56歳、男性。労作時息切れ、両側肺門・縦隔リンパ節腫大のため入院精査し、左B3周囲原発の低分化型腺癌(T2N3M1.stage IV)と診断した。GEM+CDDPの化学療法を2コース施行した。治療後、原発巣、転移巣ともに著明に縮小し、partial response(PR)と考えられた。症例1、2ともに化学療法による大きな副作用はなかった。VNR、GEMは比較的安全に使用でき、奏功率も高く、今後非小細胞肺癌治療の1選択肢となり得ると考えられた。
Keywards: vinorelbine、gemcitabine、cisplatin、non-small cell lung cancer(NSCLC)、新規抗癌剤、非小細胞肺癌
本文ページです。見たいページをクリックして下さい。(解像度が低いため、鮮明な画像が必要な場合は原本をご参照下さい)
p. 32
p. 33
p. 34
p. 35
p. 36
目次・Contentsに戻る