山梨肺癌研究会会誌 第13巻1号 047-052(2000)

呼吸同期照射に開する基礎的検討
−換気量モニターと内部臓器の動きに開する検討−

栗山健吾,大西 洋,曹 博信,小宮山貴史,荒木 力

目的:胸部および上腹部の臓器の放射線治療では、呼吸性移動を考感にいれて、照射領域を大きめに設定するが、照射野の拡大により多くの臓器が含まれ、合併症の危険性も増す。最近、呼吸性移動のある臓器の照射に、呼吸同期照射が多くの施設で研究、実用化されている。呼吸センサーのほとんどは皮膚の動きをモニターしている。より直接的な呼吸のモニタリング方法として、呼吸換気量による呼吸モニター (呼吸量モニター)を考案し、この有用性を検村した。方法:15名にX線透視装置上で呼吸量モニターを通して安静呼吸をさせ、胸部、上腹部、呼吸量モニターのピストンの動きを3呼吸分撮影した。ピストンと下肺野、上腹部内の点の1回呼吸における動きを測定し、その動きの相閥性を解祈した。ピストンの動きの呼気位と内部臓器の動きの呼気位の1回呼吸における時間的位置関係も比較した。結果:ピストンの動きと内部臓器の動きの間に、9O%前後の人に強い相関関係がみられた。ピストンの動きの呼気位と内部臓器の動きの呼気位の1回呼吸における時間的位置閲係の比較でも、有意な時間的ずれはみられず、ピストンの動きの呼気位の方が短かった。考察:呼吸換気量による呼吸のモニタリングは、腹式呼吸が主となる安静時呼吸では、横隔膜の動きを肺容積の変化という形で、より直接的にモニターしている。そのため、内部臓器の動きと、より正確に連動することが可能である。呼吸同期照射では、通常の照射方法より冶療時間が長くなる。今回の呼吸量モニターでは呼気位が1回呼吸時間の30%であり、通常照射より3.3倍かかる。照射する呼気位の定義の設定に関し、更なる検討が必要である。結輪:呼吸同期照射における呼吸換気量で呼吸をモニターする呼吸量モニターの有用性が示峻された。

Key words : respiratory gated radiotherapy, ventilated gas volume, respiratory motion



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