山梨肺癌研究会会誌 第13巻1号 058-062(2000)
肺・縦隔腫瘍に対する我々の手術手技と遠隔成績
−CUSAを用いた鋭的郭清術の成果−
高橋 渉,井上秀範,横須賀哲哉
武藤俊冶,大澤 宏,鈴木章司
保坂 茂,吉井新平,多田祐輔
奥脇英人
要旨:肺・縦隔の悪性腫瘍治療に際し、通常の系統的郭清操作にCUSAを用いて、周囲の脂肪織にまで、より広範な郭清・吸引操作を加えた症例の遠隔成績と再発形式を追跡調査し、その有用性を検討した。CUSAによる郭清操作の有用性を反映する対象としては、非小細胞肺癌のpN2症例と拡大胸腺摘出術を施行した重症筋無力症を選択した。非小細胞肺癌症例は、いずれもR2(ND2)郭清がなされているが、3生率46% 5生率34%と比較的良好な予後が得られ、特筆すべきは、縦隔リンパ節再発はわずかで、特に郭清側には皆無なことである。重症筋無力症手術症例でも、長期予後としてPSL内服を中止ないし減量できた寛解・改善例は90%以上あり、治療成績に貢献したものと考えている。
従来鈍的と思われているCUSAの郭清操作は、ウサギ気管に同様の手技を加えて得られた組織標本から、十分鋭的かつ組織愛護的に作用していることも確認された。
Key words : CUSA,pN2肺癌,系統的リンパ節郭清,拡大胸腺摘出術,再発形式
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