山梨肺癌研究会会誌 第14巻1号 002-005(2001)

肺癌との鑑別が困難であった原発性肺クリプトコッカス症の1例

宮木順也、山家理司、小澤克良
宮澤正久、加藤邦隆
宮田和幸
金澤正樹


要旨:症例は62歳女性。検診で胸部レントゲン異常を指摘され当科受診。胸部CT上左S10に8mm大の高濃度結節病変を認めた。1ケ月後のfollowupCTにて結節影の明らかな増大を認めたため原発性肺癌を疑い、外科に紹介した。胸腔鏡下部分肺切除術を施行し、病理組織診断にて原発性肺クリプトコッカス症の診断を得た。術後にフルコナゾール100mg/day1ヶ月投与し治療を終了したが、現時点で再発は認めていない。以前は比較的稀な疾患とされていたが、検診が普及するにつれて報告数は増加傾向にある。半数以上が無症状で、検診で偶然発見されることが多い。過去の文献上でも画像所見が肺癌、肺結核と類似しており鑑別は困難とされている。最終的に気管支鏡、CTガイド下肺生検、胸腔鏡による確定診断がなされる傾向にある。

Key Word : 原発性肺クリプトコッカス症、CT、原発性肺癌、肺結核



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