山梨肺癌研究会会誌 第14巻1号 055-059(2001)

術後早期に再発したI期肺癌症例の検討

羽田真朗、本橋慎也、赤池英憲、牧 真彦、
小室陽子、中込 博、三井照夫、芦沢一喜、
千葉成宏、中沢美知雄
宮下義啓
小山敏雄


要旨 術後病理病期I期肺癌症例の再発および再発死亡例16例を対象とし、術後1年以内の早期再発をきたした症例を調査し術後早期再発の要因を臨床病理学的に検討した。術後早期(1年以内)に再発した症例7例を早期再発群(早期群と記す)とし、それ以降に術後再発した症例9例を再発群とした。臨床的因子(年齢、性別、腫瘍局在部位、腫瘍径)には、有意差はなかった。臨床病期では、早期群には、再発群に比し有意にIB期が多くみられたが、病理病期では差はなかった。病理学的因子および治療再発因子(組織型、胸膜浸潤、縦隔郭清、根治性、術後化療、再発部位)を検討したが、両群に差はなかった。しかし、両群での再発部位別の生存期間をみたところ、早期群での局所再発例は、生存期間が24ヵ月であるのに遠隔転移再発例は、,12ヵ月と有意に短かった。このことは、術後早期再発をきたす一つの要因として、術前からの不顕性転移巣の存在が示唆されると考えられた。

Key Word : 肺癌、早期再発、術後再発因子



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