山梨肺癌研究会会誌 第14巻2号 066-068(2001)

Solitary fibrous tumor of the pleuraの1手術例

神谷健太郎、高橋 渉、喜納五月、滝沢恒基、大澤 宏
鈴木章司、保坂 茂、吉井新平、多田祐輔

要旨
典型的なSolitary fibrous tumor of the pleura(以下SFTとする)の1手術例を経験した。症例は、71歳女性。咳噺を主訴に近医受診し、胸部レントゲン写真で右下肺野に腫瘤像を認め、経皮生検で中皮腫と診断された。外来での軽過観察後、胸腔鏡下に腫瘍を切除した。病理組織学的には、線維芽細胞様の細胞がPatternless patternに増殖、核分裂像も少なく、良性のSFTと診断した。SFTは完全切除が原則で、長期予後で再発や悪性化例も報告されていることから、通常の悪性腫瘍よりさらに長期の経過観察と、再発に対しては早期の完全切除が必要である。

Key word: Solitary fibrous tumor of the pleura、良性胸膜腫瘍



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