山梨肺癌研究会会誌 第14巻2号 081-085(2001)

1秒量920mlの低呼吸機能で上葉切除を行った肺気腫を合併した肺癌の1例

鈴木修、川井田博充、小林正史、松川哲之助
池田フミ

要旨
症例は72歳男性で,肺の気腫性変化が強く上葉に大きな嚢胞を認め,右上葉の嚢胞壁に接して径3cmの扁平上皮癌が存在した。1秒量が920mlと低呼吸機能であったため,術前に3週間の呼吸リハピリを行い,右上葉切除+ND1および中下葉の嚢胞切除を行った。病理所見はpT2 NO MO stage IBであった。術後に中葉の無気肺から肺炎となったが、概ね良好に経過した。術後1カ月での1秒量は760mlであったが, 2力月には920mlと回復し日常生活も術前と同程度まで行えるようになった。

key words:肺気腫、気腫性肺嚢胞、低呼吸機能



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