山梨肺癌研究会会誌 第14巻2号 098-101(2001)

次世代のPDTを目指して
−新しい光感受性物質Na-Pheophorbide a(Na-Phde a)を用いた培養肺癌細胞に対する基礎的検討−

井上秀範、高橋 渉、吉井新平、喜納五月、横須賀哲哉、松原寛知
保坂 茂、鈴木章司、大沢宏、明石興彦、多田祐輔、西川 祐
秋山満知子、仲里正孝、小林正美

【目的】 Pheophorbide aのNa塩(Na-Phde a)を新しく調整したため、これを用いて腫瘍内局所注射を前提としたin vitroの実験を行った。【方法】対象に用いた光感受性物質はNa-Phde aを用い、細胞株はヒト培養癌細胞(RERF-LC-AI)を使用した。実験1:各種濃度のNa-Phde aを用いて作用時間に対する培養癌細胞1個あたりの細胞内Phde a濃度曲線を作成した。実験2:細胞内にNa-Phde aが取り込まれた状態を蛍光顕微鏡観察で確認した。【結果】実験1:0.04mg/ml以上の濃度で4時間以上作用させれば細胞内最高濃度が約1.4pg/celに達した。実験2:蛍光顕微鏡観察では1時間程度より細胞内に取り込まれることが観察された。【結語】Na-Phde aを癌細胞内に取り込ませPDTが可能であることがin vitroのレベルにて示唆された。

Key words : Photodynamic Therapy、Na-Pheophorbide a



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