山梨肺癌研究会会誌 第14巻2号 102-106(2001)

肺癌定位放射線治療の初期臨床経験

本杉宇太郎、大西洋、栗山健吾、小宮山貴史、植木潤子、荒木力
石原裕、西川圭一、吉井新平、長田忠孝、橋本良一

要旨:我々の施設には昨年より新しいライナックシステムが導入された。このシステムを用いて8名の肺腫瘍症例に対し定位放射線治療を行ったのでその初期臨床経験を報告する。適応は原発肺癌のT1N0またはT2N0症例、もしくは転移性肺腫瘍で原発巣がコントロールされている症例である。実際の方法は呼吸停止下に回転原体照射を用いて放射線照射を行う。目標線量は60Gyで1回6Gyの1日2回照射を原則とし、計5日間で治療は終了する。今回対象となった8症例は男性6例、女性2例で、紹織型は扁平上皮癌4例、腺癌2例、小細胞癌1例、軒移性腫瘍1例である。結果は観察期間1ケ月でPRが5例、NCが3例であった。この結果はまだ観察期間が短く放射線療法の効果を確実に判定するための観察期間が6ケ月であることを考えると実際の成績はさらに高い数字になるものと思われる。有害事象として胸部X線上放射線性肺炎が確認されているが、症状は全くなく臨床的には問題にならなかった。

key words : lung cancer、metastatic lung tumor、stereotactic radiotherapy、breath-hold



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