山梨肺癌研究会会誌 第15巻2号 094-097(2002)
非小細胞肺癌のEGFR蛋白過剰発現と遺伝子
増幅についての解析
鈴木潮人、大井章史
高橋渉、吉井新平
要旨: Epidermal growth factor receptor(EGFR)はreceptor tyrosine kinasesのerb-B familyに属する膜貫通蛋白の一種であり, EGFRの過剰発現が癌の増殖,浸潤,転移における重要な役割を果たしている.今回,非小細胞肺癌におけるEGFR蛋白過剰発現,遺伝子増幅について検討したところ,症例の32.5%(67/206)にEGFR蛋白過剰発現がみられた. EGFR蛋白の異常発現を示す症例の32.8%(22/67),全体の10.7%(22/206)において遺伝子の増幅を確認できた.現在までにFISH法を用いてEGFR遺伝子増幅について検討した報告はないが,今後EGFRを標的とした治療に反応する患者を同定するうえでFlSH法を用いた評価が必要とされると考えられる.
キーワード: Epidermal growth factor receptor, fluorescence in situ hybridization, 非小細胞肺癌
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