山梨肺癌研究会会誌 第16巻1号 011-014(2003)

CT画像上で興味ある発育過程を観察し得た肺腺癌の一例

山口 弘、大木 善之助、小澤克良
宮澤正久
南部敦史
宮田 和幸

要旨:近年高分解能CTの普及により肺野末梢部に発生するスリガラス影の発見が増加し肺腺癌と炎症性病変の画像所見での鑑別診断が検討されている。肺腺癌を疑わせる所見の一つとしてスリガラス影の境界が鮮明であることが言われている。今回我々は発見時境界不鮮明なスリガラス影を呈し炎症性病変が疑われたが2年後にスリガラス影が境界鮮明となり内部に癒合する高濃度結節が出現、胸膜陥入像を伴い典型的な肺腺癌となる過程を観察し得た一例を経験した。境界不鮮明なスリガラス影であっても内部に高濃度領域を伴う場合、肺腺癌の可能性を考え経過観察、精査が必要であると思われた。




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