山梨肺癌研究会会誌 第16巻1号 052-055(2003)

肺悪性腫瘍患者およぴ非腫瘍患者の療養不安に関する検討
−入院経過における比較について−

井上亜紀、加藤京子、長田真紀、牧田美和
田丸千春、藤江俊秀、宮下義啓

要旨:当院呼吸器内科病棟に入院した肺悪性腫瘍患者と非腫瘍患者を対象に、入院時・退院時に不安尺度STAIを用いて調査を行なった。その結果、両群ともに入院時状態不安はSTAIの評価段階でIV(高い)であった。非腫瘍患者群では状態不安は退院時に有意に減少(p=0.025)するのに対して、肺悪性腫瘍患者では特性不安、状態不安ともに有意差がなかった。このことから入院時の不安は疾患に関係なく高い状態にあり、非腫瘍患者群では疾患の症状の改善等により不安が軽減されていることがわかった。不安の状態と睡眠状況について関連性は明らかにならなかった。

キーフード:肺悪性腫瘍患者、療養不安、STAI



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