山梨肺癌研究会会誌 第16巻1号 056-060(2003)
肺癌冶療の新戦略
福岡正博
要旨
わが国において、肺癌の羅患数は年々増加してきており、現在、その死亡率は悪性腫瘍のなかで最も高くなっている。肺癌全体の約80%以上を占める非小細胞肺癌においては、そのうち約80%が手術不能なV期およびW期の症例であり、肺癌全体の約20%を占める小細胞肺癌においても、そのうち約60%が進展型の症例である。いずれも手術不能な場合が大半を占めているため、肺癌の5年生存率は15%にも満たないのが現状である。
1990年以降、新規抗漉剤の登場により肺癌の治療は進歩しつつあり、現在、さまざまな臨床試験において生存改善のための検討が試みられでいる。また、近年の分子生物学の進歩に伴い、癌細胞の増殖に関わるさまざまな分子が解明されたことにより、現在、肺癌の治療において有用性が期待される多くの分子標的治療薬が開発されている。そこで、肺癌治療の新戦略として、肺癌における化学療法と分子標的治療について概説する。
論文PDFファイル (394KB) はここをクリックしてください
Full Text PDF File (394KB)
目次・Contentsに戻る