山梨肺癌研究会会誌 第17巻1号 002-006(2004)

定位放射線治療はStageI 非心細胞肺癌の標準的治療となりうるか
〜全国多施設調査結果から〜

小宮山貴史, 大西洋, 田中史穂, 萬利乃寛, 荒木力
栗山健吾

 国内13施設におけるI期非小細胞肺癌に対する定位放射線治療成績を検討した。対象は1995年4月より2003年1月までに各施設にて治療がおこなわれた245例。観察期間は1ケ月から6年9ケ月。局所効果はCRが22.9%、PR が60%で、奏功率は82.9%であった。全症例の全生存率は2年71.6%、5年49.4%、原病生存率は2年84.9%、5年77.3%であった。全生存率の比較(単変量解析)において患者因子ではstageと手術の可否について、治療因子では腫瘍のα/β値を10として計算したBED 値(以下B ED10)が100t以上か100未満かにおいて有意差が認められた。手術可能かつBED10が100 以上の症例群の5 年全生存率は88.4%と非常に良好であった。局所再発は13.4%、領域リンパ節再発は8.1%、遠隔転移は14.6%に認められた。手術可能症例群の全生存率は手術施行群と比較して遜色なく、定位放射線治療は1 知弁小細胞肺癌に対する標準的治療となり得る可能性が考えられた。

KeyWords: 肺癌、定位放射線治療、手術



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