山梨肺癌研究会会誌 第17巻1号 007-011(2004)

T期非小細胞肺癌に対する
定位放射線治療
山梨大学放射線科における成績

斉藤亮, 小宮山貴史, 大西洋,
田中史穂, 萬利乃寛, 荒木カ,
栗山健吾

 要旨:当科におけるT期非小細胞肺癌に対する定位放射線治療の成績、有害事象について検討する。対象は2000年7月から2002年11月、当院にて定位放射線治療を行った35名。方法は照射装置が一体化したCTガイド下にてSet up を行い、患者自身による自己呼吸停止下にて多軌道回転原体照射で60Gyを10分割にて照射した。局所効果の奏功率は97%であった。全症例の粗生存率は2年704%、原病生存率は2年85.6%、手術適応有の粗生存率は2年87.5%であった。再発症例は5例あり、全症例中の14%をしめた。有害事象においては放射線肺炎grade3,1例、grade4, 2 例を認めるが、grage3の症例とgrade4の症例のうち1 例ずつは治療以前から酸素吸入を行っていた。当科の治療成績は他施設で報告されている成績と同等に良好であった。手術可能例の短期粗生存率は良好で手術成績に匹敵していた。現在手術不能側に対しての定位放射線治療側が大半を占めているが手術可能側に対しても積極的に選択されるべき治療法になりうると考える。

キーワード:T期非小細胞肺癌、定位放射線治療、手術



論文PDFファイル (261KB) はここをクリックしてください
Full Text PDF File (261KB)




目次・Contentsに戻る