山梨肺癌研究会会誌 第17巻2号 071-074(2004)
消化管出血を燥り返した非小細胞肺癌小腸転移の1例
山家 理司、山口 弘、西川 圭一、久木山 清貴
三井 文彦、土橋 洋
要旨:症例は78才の男性。2001年11月に肺癌(adeno ca. T2N3M0 StageVB)と診断され、放射線治療を行っている。2002年8月に両側肺に多発転移を認め、11月頃から黒色便が出現した。上部、下部消化管内視鏡検査、腹部骨盤CT、出血シンチ等の検査を施行するも出血源は不明であった。2003年6月に脳転移のため再度入院となった。脳転移に対しては放射線治療を行ったが、この間も黒色便は続いていた。7月20日に大量の下血を認め、この際に行ったCT、小腸造影検査にて小腸腫蕩が認められた。肺癌小腸転移と考えられた。7月31日に小腸腫蕩切除術を施行したが、術後肺炎を発症し8月6日に死亡した。臨床経過中に小腸転移を認めることは比較的稀であるため報告する。
キーワード : 小腸転移、小腸腫痕、消化管出血、下血
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