山梨肺癌研究会会誌 第17巻2号 075-078(2004)

縦隔奇形腫から発生した腺癌の1例

菱山 千祐、大木 善之助、小澤 克良、
宮澤 正久
斎藤 彰俊
宮田 和幸

要旨:症例は67歳、男性。2002年1月にうっ血性心不全の診断で入院となり、その際の胸部レントゲン写真、CTで前縦隔に腫瘤影が認められた。増大傾向を認め、2004年2月17日に腫癌摘出手術を行った。12x7×2.5cmの腫蕩で胸腺と連続性は確認できなかった。脂肪組織、皮膚付属器類似組織、唾液腺類似組織から成る奇形腫が認められた。その中に腺癌が認められ、免疫組織化学的に唾液腺導管癌と同様な染色態度を示した。腫蕩の発生について、異所性の胸腺組織に奇形腫が発生し、その上皮成分から癌が発生したものと考えられた。

キーワード : 縦隔奇形腫、唾液腺導管癌



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