山梨肺癌研究会会誌 第17巻2号 083-086(2004)

当院における肺小細胞癌長期生存症例の検討

宮下 義啓、冨島 裕、張本 彩歌
小山 敏雄
栗山 健吾

要旨:山梨県立中央病院内科にて1998年1月以降2OO2年1月までに肺小細胞癌と診断およぴ加療された40例を対象に検討し、このうち2年以上の長期生存が得られた症例を長期生存症例として臨床的検討を行った。40症例全体の内訳では男性31名、女性9名で平均年齢は67.3歳であった。LD症例26例、ED症例14例で放射線同時併用症例は17例であった。長期生存症例は11例であった。
 長期生存症例の内訳は男性8名、女性3名で平均年齢は63.3歳であった。喫煙歴は不明の女性2名を除き全例喫煙者であった。発見動機は検診3名、他病受診時発見を1名を除き、自覚症状を有していた。陰影の発生部位は中枢発生6名、末梢発生5名とほぽ同数であった。病期はED症例3例、LD症例8例で、治療は全例がCDDP+VP-16にて初回化学療法が行ねれていた。放射線同時照射が9名に実施され、全例第1コースに併用されていた。長期生存LD例(8名)での脳転移発症は1名(12.5%)に留まり、放射線性肺炎は6例(60%)に認められていた。

Key Word :肺小細胞癌、長期生存症例



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