山梨肺癌研究会会誌 第2巻1号 008-013(1989)

気管支腺に発生した腺様嚢胞癌の1例

原 仁、木村正博、石井恵理、千葉成宏、高相和彦、横山 宏、須田耕一

要約:気管支腺から発生する腺様嚢胞癌はきわめて稀である。今回、我々はこの稀な1例を経験したので臨床細胞学的所見を中心に報告する。症例は症例は39歳男性で、咳嗽、血痰を主訴として入院。気管支鏡でで右中幹内に粘膜下腫瘍が認められ、気管支擦過細胞診と生検により腺様嚢胞癌と診断された。右肺全剔、心外膜合併切除術が行われた。気管支擦過では細胞学的に腺様嚢胞癌の特徴である粘液様球体mucoid globules と充実性に増殖する小型の腫瘍細胞が認められ、その優勢度により充実型に亜分類された。病理組織学的には定型的な腺様嚢胞癌で、篩管型と充実型が同程度に認められた。




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