山梨肺癌研究会会誌 第2巻1号 027-031(1989)

転移性肺腫瘍手術例の検討

高橋 渉、千葉成宏、岡田典之、三井照夫、芦沢一喜、今村公一、高村 達、中沢美知雄

 転移性肺腫瘍は、遠隔転移の存在という点から、全身疾患化した悪性疾患であるが、転移形成の場として、肺という臓器の特殊性ゆえに、かなり積極的に外科治療が試みられ、治癒症例の数多く報告されている。特に絨毛上皮癌、睾丸腫瘍などに関しては、化学療法が有効であるため、多発性肺転移に対しても外科療法が行われている。
 我々が最近経験し、外科的治療を加えた転移性肺腫瘍例においても治療成績は比較的良好であり希望がもたれている。むろん、良好な成績は手術適応を間違えないという前提にたっており、この適応の決定が転移性肺腫瘍の外科療法を論じる場合重要となる。
 現段階では Thomfordの適応に従ったものがまだ有力であり、これに腫瘍の転移進展形式等が加わり決定される。




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