山梨肺癌研究会会誌 第22巻1号 042-044(2009)
当院における肺癌術後補助化学療法の現状と問題点
松原寛知,官内善広,奥脇英人,國光多望,松岡弘泰,
佐藤亮太,渡辺一孝,菱山千祐,西川圭一,進藤俊哉,
松本雅彦
要旨:はじめに;非小細泡肺癌の手術成績は決して満足すべきものではなく,手術成績の向上を目的として,術後補助療法が試みられてきた.最近になってその有効性を示すevidenceが報告され,非小細胞肺癌における術後補助化学療法は標準治療になりつつある.今回当院における肺術後補助化学療法の現状と問題点について検討した.対象;当院において2004年1月から2008年7月まで術後補助化学療法が施行された21例の内,カルボプラチンとパクリタキセル併用療法の14例を対象とした.結果;14例中13例が予定の4コース完遂することができた.Grade3以上の有害事象としては,白血球減少を3例,吐き気嘔吐を1例に認めた.再発形式では,13例中2例に早期に脳転移を認めた.まとめ;CBDCA/TXLは、肺癌術後補助化学療法として重篤な有害事象も少なく,患者のQOLを損なうことなく、外来治療可能な治療と考えられた.
キーワード:術後補助化学療法,非小細泡肺癌,カルボプラチンとパクリタキセル併用療法
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