山梨肺癌研究会会誌 第5巻1号 010-014(1992)

薄壁空洞を呈した肺胞上皮癌と肺結核の一手術例

泉 浩、石川創二、堤 正夫、高橋 渉、山田康治

要旨:症例は60才女性、主訴は左背部痛。胸部X線上左S3とS6にそれぞれ薄壁空洞を形成する部位を認めた。気管支鏡を施行し、B6の気管支擦過物、洗浄液それぞれ Gaffky2-3号検出のため抗結核剤を約一力月投与した。しかしS3 の陰影に変化がないため気管支鏡検査を再度実施、S3 のTBLBにて細気管支肺胞上皮癌の診断を得た。S6 は経皮肺生検にて炎症性空洞内にAspergillus を検出した。手術は左上葉切除及びS6 肺部分切除を施行した。
 胸部X線上薄壁空洞を呈する原発性肺癌は少なく、また空洞形成を伴う細気管支肺胞上皮癌の報告例は少ない。今回、若干の文献的考察を加えて報告した。


Key word:Broncho-alveolar cell carcinoma, thin wall cavity


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