山梨肺癌研究会会誌 第1巻号 023-027(1988)

上大静脈合併切除再建を行った縦隔悪性腫瘍の2例

保坂 茂、吉井新平、羽田真朗、松川鉄之助、上野 明

内容要旨:上大静脈症候群は、そのほとんどの原因が進行肺癌や縦隔悪性腫瘍にあるため治療には困難を極めている。最近、我々は胃癌の縦隔リンパ節転移によると考えられる症例と縦隔悪性リンパ腫の症例を経験した。症例1は、上大静脈症候群の発症2年6ヶ月前に早期胃癌で胃切除を受けた55才の男性で、その診断過程で上大静脈原発腫瘍も疑われたが、最終的には胃癌転移が最も考えられた。症例2は、23才の男性で急速に増大する腫瘍により進行性の肺動脈狭窄・心タンポナーデと気道狭窄からの心不全及び呼吸不全をきたし、救命的に可及的腫瘍切除、静脈血行再建、ひきつづくVEPA療法により術後18ヶ月の現在、再発兆候を見ていない。




本文ページです。見たいページをクリックして下さい。(解像度が低いため、鮮明な画像が必要な場合は原本をご参照下さい)

p. 23 p. 24 p. 25 p. 26 p. 27


目次・Contentsに戻る