山梨肺癌研究会会誌 第18巻1号 007-012(2005)
高齢者肺癌の放射線治療
佐藤葉子 大西洋 田中史穂 小宮山貴史 萬利乃寛
要旨 80歳以上の高齢者肺癌30例に対する放射線治療について検討した。根治照射を16名、緩和的照射を14名に行った。また、完遂例は24名、非完遂例は6名であった。完遂例においては、根治照射群と緩和的照射群に生存率に差はなかった。また、根治照射群、緩和照射群ともに照射野が広い方が生存率が低下する傾向にあった。さらに、局所の治療効果や、化学療法(TXT)併用の有無は生存率に関与しなかった。放射線肺炎の重症化した症例は予後が悪かった。これらのことから、80歳以上の高齢者肺癌に対する放射線治療では、可能な限り照射野を小さくすること、PS不良例では援和的照射とすること、生存率向上よりも症状やQOLの改善を重視して治療にあたることが重要と考える。
Keywoord: 高齢者肺癌 照射野 放射線肺炎
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