山梨肺癌研究会会誌 第21巻1号 010-013(2008)

肺動脈内への特異な進展を認めた非小細胞肺癌の一例

高暗寛司 開陽子 深澤一裕 宮下義啓
岡本祐樹
小山敏雄

要旨:症例は68歳、男性。2ヶ月以上にわたる乾性咳轍を主訴に受診した。胸部CTにて左主肺動脈から上葉、舌区、下葉の各肺動脈に連続して鋳型状に占拠する腫瘍性病変を認めた。開胸手術にて肺動脈幹を切開したところ、左肺動脈側から肺動脈幹内へと腫瘍がポリープ様に進展しており、病理診断は低分化癌であった。他臓器に明らかな原発巣を認めなかったことから、肺動脈近傍に発生し、肺動脈内に進展した非小細胞肺癌と診断した。化学療法を施行したが効果は乏しく、急速な腫瘍の増大を認め、入院から約4ヵ月後に永眠された。

キーワード:非小細胞肺癌 肺動脈内腫瘍



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